総会および経営学部校友会10周年記念講演会を開催しました【2012年6月23日】

立命館大学経営学部校友会のニュース&トピックス

総会および経営学部校友会10周年記念講演会を開催しました【2012年6月23日】

2012年度総会および経営学部校友会10周年記念講演会を開催

経営学部校友会10周年を迎え、経営学部校友会第8回総会が、2012年6月23日、立命館大学びわこ・くさつキャンパス・コアステーションにおいて72名(委任状を含む)の参加で開催されました。提案された議案はすべて承認されました。
引き続き、同キャンパス・ローム記念館に会場を移して、在学生も参加し、講師には、アメリカにおいてイチローについで有名な日本人といわれる『ヨシダグループ会長兼CEOの吉田潤喜氏』とスマートフォン広告業界の革命児『Nobot Inc. COOの野田智史氏』をお迎えして、講演会を開きました。在学生も聴衆に加え約150名が参加しました。
後半に、お話し願った吉田潤喜氏は「アメリカンドリームを掴んだ男」と題して、ヨシダグループが今日に至るまでのお話しを、爆笑を交え、そしてほろっとさせながら、お話しされました。こちらから先に紹介します。

≪吉田潤喜氏≫
夢をあきらめたときに負け犬になる
「ぐずぐず言わんとやりたかったら、やったらええ」、「こういうことはMBAクラスでは教えてくれない。あれは、こうやったら成功(失敗)するというただの統計学だからやな」、「ゲームに夢中になるように自分の仕事に夢中になりなはれ」など、次々と名言が飛び出しました。

経営学は金儲けではない
今日の話は、成功した人間の話ではありません。4回も潰れかけた男の話です。何回も潰れかけた中で、何を学んだかというと、「金儲け」というよりも、「人儲け」です。経営学は金儲けではない、ひともうけしたいとかいう、気持がいけない。一番怖いのは見栄である。それはプライドではない見栄である。必要なのはエネルギーであり、エネルギーは嗜好アトラクション、ほしいというエネルギーである。私も、何回も会社がつぶれかけたが、出会いがあった人に助けられ、今日に至った。
 アメリカで学んだことは「目立ってなんぼ」ということである。日本では、「出る杭はうたれます」が、アメリカは「出ない杭はつぶされ」ます。「打たれてなんぼ」なのである。アメリカは競争が激しい。つぶしにかかる。よく「はしたない」、「えげつない」というけど、「負けた方が悪い」、「とられたほうが悪い」のである。負けるというのは、チャンスを逃がしているからだ。負けるのではないかという暗示にかかっているのである。

信じて動く
私は、むかっときたときに、力が出る。かつて、「京樽」に”みる貝“を納入したことがある。みる貝どんぶりに入れるのだという。私は、決めたら動く人間です。信じて動けば6割成功します。後の2割がパッションで、2割が運です。みる貝では最初失敗しましたが、その後値が上がって、儲かった。
 会社は売るために作ってます。みる貝を日本へ送ったら半分腐ってた。それではというので、プロの貨物を送る会社をつくった。また、ナイキの靴の輸送を引き受けた。それは、素人だからできたこと。普通ならリスクが大きいのでその仕事を引き受けないが、私は素人やからパッション100%で、引き受けなんとかなった。私は死ぬほど自分の夢を信じて、それで成功した。今では、ナイキの輸送を独占している。
「吉田さん、人生をもう1回やりなおしできるとしたら、やっぱりヨシダソースですか?」という質問をよく受ける。私の答えは、「やりません」。当時、全米で1週間に50種類のバーベキューソースが売られてる。毎週新しいのが、全米で販売される。それを知っていたら誰がこの世界に入りますか?知らなかったから入ったんです。ナイキのフィル・ナイトさんも、本当にすばらしい靴作りたい、その一心だけで、靴をデザインしたんです。それ以外何も無かった。将来これだけ儲けたるとか、そんなこと全然考えてなかった。

失敗を後悔しない
あのときなぜ動かなかったのか、決心しなかったかと、後悔したくなかった。あきらめたら敗者です。夢をあきらめたときに負け犬になる。一生懸命にやれば、渦巻きに人が引き込まれる。私は、失敗を後悔しない。
ナイキでは、最初誰も引き受けない箱3つの輸送から始まって、いまはそれが大きくなった。コストコ(会員制卸売り)へのソースの納入でも最初おおぼらを吹いた。人間の器は、ほらをふくことで大きくなる。
自分の器ってあります。器って、嘘つかなあきません。自分がこの程度思うたらたらこの程度です。自分の器が大きく思ってる人は、だんだん、だんだんその器に入ってきます。
コストコ2軒目の時、ソースを店頭販売で目の前で料理を作って売った。
一生懸命、サンプルで店頭販売した。アメリカの店頭販売歴史変えたのはヨシダです。店頭販売でサンプル渡して食べてもらって、ありがとうございます。それやったら全然売れない。28年前、まだ、テリヤキっていう名前付けませんでした。テリヤキって付けたら、オリエンタル・セクションに回される。オリエンタル食品として扱われたら売れない。オレゴンで、日本人に食べさすために作ってるのと違う。白人に食べさせたい。だから、無理やりヨシダ・グルメ・ソースと称して、アメリカ人に売った。“stick with principle“だ。これが私の夢だった。絶対変えられない。名前も変えない。

自分を売る
物売るのに自分を売らなあかんと思った。ソースを売っては駄目。自分を売りました。商品を売るのでない、自分を売る。信頼を勝ち取ったら、どんな商品でも買ってもらえる。それがセールスです。それが営業です。
 人は、自分の過去に捕らわれがちであり、自分で自分の器をつくってしまいがちである。そうなってはいけない。自分が過去に縛られてしまう。自分の過去の暗示に入ってしまって自分が見えなくなる。「それは過去やったけど失敗したからなあ」と思い勝ちである。
必死で自分の夢を追いかけてる時は、何も覚えてない。自分の苦労を覚えてるのは本当は苦労してないのだ。

≪野田智史氏≫
モバイル広告ノボットの創造
前半は「モバイル広告ノボットの創造」と題して、野田智史氏(ノボットCOO)に伺いました。
ノボットは2009年4月創業です。アイフォン系モバイル広告の会社です。2010年8月最初の売り上げをあげました。2011年にはモバイル広告の市場1500億円規模になっています。その中でも、スマホ向け広告規模は2011年337億円です。
 この中で、ノボットの戦略はGoogleに勝つために、アプリ開発者に絞ってサービスを展開しました。イベント・プレスリリースを活用したブランディング、プロモーションをしました。最後に、KDDIがノボット買収しました。
 起業成功の鍵は「チーム」です。信じられるのはチームで、開発者がいることなどが重要です。しかも今日、構想はグローバルが当然になってます。日本では、世界を相手にしているイスラエルとはスタートラインが違います。
 ベンチャー企業と言うならば、新しいものを作り出さねばならないし、成長し続けなければならない。そして、何かしらのイグジットを果たさなければならない。
 ベンチャーは、取るリスクは、自分で決められる。ベンチャー企業で成功できる人材は、どこでも成功できます。

《編集後記》
2012年度第1回経営学振興事業セミナーは、8月26日“ホテルグランヴィア大阪”において、「無縁社会における地域の縁結びのかたち~大阪発・コミュニティデザインのツボ」と題して、山口洋典先生にお話し願います。ご期待ください。(M)。

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